鬼才 押見修造の個性的過ぎる作品

押見修造とは何者か

独特な作品を数多く輩出

スイートプールサイドという、剃毛をしてほしいと言われて行う男子としてもらっている女子という、なんとも言えない世界を見た時は、何をどうしたらこんな作品が作れるのかという点が気になった。先にも少し話したが、今作を創りだしたの原作者は『押見修造』先生という名前が出てきたことに、妙な説得力を覚えた。それというのも、現在の日本で彼のようにマイナーであるのに、その見事な画力を持ってして、異質な漫画を送り出しながらも何処かメッセージ性が強く、マイナーであるのに巷で話題を博す作品を送り出している方なのです。

この方を知っているという人はかなりコアだと言う点は認める必要がある、何せ筆者もこの押見修造という人の存在を知った時には『世の中って広いなぁ』という一言が大きかった。それもそうだ、彼が創りだした作品はその内容と世界観から、あまり一般ウケするような作品ではないのが見て取れるためでもある。それは作者本人も自覚しており、事実として今まで作り出してきた作品の中には、よく雑誌連載させてもらっていたなと感心していたほどだという。

酷評、でも面白いと

押見修造先生いわく、20歳くらいに漫画を持ち込んで見てもらったところ、『酷いが、おもしろい』という評価を後の自伝漫画で語っています。それについては筆者本人、読者としての立場で言わせてもらえばその通りだからだ。彼が創りだす漫画はとにかく斬新、というにはあまりにマイナーなテーマを取り上げているせいもあって、人を選ぶ作品だ。スイートプールサイドを見てもらえば分かるように、剃毛をする男子高校生としてもらっている女子高生という奇妙な構図、コアなファンでもなければ容認出来ないはずだ。それこそ保護者視点で見たら、こんな下品な漫画など見てはいけないなどと言われてしまうかもしれません。

ただ漫画としてはテーマはどうあれ、読み進めていくとテーマに即しながらも大胆かつ話題をもたせるだけの内容に作品の美徳を促進させるだけの効果を持っていた。酷いテーマだが、その分だけしっかりと表現している所が良点と、そう語る人も多い。内容だけで判断してこんな作品、と一蹴できる訳でもないところが歯がゆい部分でもある。

注目作として

そんな押見修造先生が段々と注目されるようになったのが、『漂流ネットカフェ』があげられる。この頃から作品の独特な世界観に魅了される人が続出し、巷で話題をかき集めていった。そうして刊行される作品が、メディアによって注目を集めると同時に作品を原作とした映像化が行われるようになっていったことで押見修造という作家の存在感は世間へ発表されていきます。

中にはこんな作品も

押見修造先生というと、スイートプールサイドのように非常に啓蒙的な世界観が特徴で、それまで知りもしなかった世界を体験することでインパクトを与えている漫画家と、筆者は認識しています。ただ中には自身の体験談を元にした『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では、『吃音症』という病気がテーマになっています。この病気は通常、喋る際に吃るのとは違って、正式な病名として認定されている病気なのです。

実際、吃音症に悩まされている人は多く、中には病気であることに気づいていない人までいるという。作品にすることで、今まで知らなかったという人はもちろん、もしかしたら自分もそうなのかもしれない、と影響された人もいるはず。一概にこの病気とは言えませんが、作中では自身の名前をまともにいえない少女の苦悩と葛藤が描かれている。そんな心理描写にも定評があります。

とにかく凄い

押見修造という人を分析すると、一重に凄いという声しか浮かんでこない。ただその凄さが奇っ怪な世界観でありながらも、何処か訴えている作風に魅了されている人も多いと思う。吃音症をテーマにしたこの作品も、主人公の少女は名前をうまく言えない恐怖と悲しみ、伝わらない奥底の思いなどの葛藤が描かれている。それがよりにもよって高校生活最初の自己紹介から躓いてしまったのだから、心が傷つくのも無理がない。

ちなみに作者はこうした体験もあって、吃音症だからこそ人の感情を表情で読み取る力に変えることが出来たという。それもあって、彼の作品でキャラクターが見せる表情の一つ一つが印象深いのかもしれません。