鬼才 押見修造の個性的過ぎる作品

スイートプールサイド

別名『剃毛青春映画』

世の中には様々な作品が存在します、一般的に著名度の高い作品は国内を飛び越えて国外の、海外の人々にも受け入れられて人気を博しているほど。例としてあげればNARUTOやBLEACHなどがある、もっと以前の作品でいえばドラゴンボールなども取り上げられます。ONE PIECEも人気といえば人気ですが、当作品は国外というよりは国内での人気が圧倒的と見ていいでしょう。やはり日本的な要素が垣間見える忍者や侍を連想させる内容が、海外の人にしてみれば日本という国の側面的な部分が見られるから良い、そう考えているのではないか。これらの作品の人気は素晴らしいことですが、時としてどうしてそんな方向へ行ってしまったのかと疑問符が出てくる展開が起こることもある。よく言ってしまえば実写映画化だ。

漫画の実写映画化は大半が失敗するというジンクスがあるほど、最たる例としてどうしてこのまま映像化したのかと嘆かれたのがドラゴンボールだったりします。この作品は原作者ですら酷評するという、駄作という烙印を押されてしまった。やがて黒歴史などと歴史の闇へと葬り去られることになりますが、ここ最近は遂に当時脚本を担当した方が公で謝罪したという。そこには原作好きという肩書はどこにもなく、ただお金になるからという理由で原作の設定を全無視で書いたと、そこまで言って良いんですかというレベルで暴露した。利権が絡んでくるとややこしくなるのは仕方がないが、名作を実写化して駄作にした時点で罪は十分立証されているだけに、弁護の余地もないでしょう。

手を付けてはいけないものはある、実写化してもあまりに非現実的な内容の作品では失敗する傾向が強いと筆者は分析している。対して、リアルの、より現実的な内容であれば失敗以前よりも地味にありそうな内容だからと言った理由が挙げられます。ですがあまりにセンセーショナルすぎる、どうしてこんな作品が実写化されたのかと作者ですら謎だという戸惑いが見られた作品があります。個人的にもあまりの突飛な内容に驚いたが、『スイートプールサイド』という作品のことだ。こちらの作品、キャッチコピーとして『剃毛青春映画』と意味不明な宣伝文句があります。

作品概要

スイートプールサイド、タイトルだけを見ればそこまでおかしな映画には見えませんが、実際に興味を持って見に行った人の多くはその展開に度肝を抜かされるというよりは、呆然と何が起こっているのか理解できない、という人が多かったのではないか。何せ普通の青春映画というには、『流石にこれはないだろう』と言いたくなる展開が連続する。事実、こちらの作品は雑誌で連載されたのは2004年のこと、それから長らく単行本化されなかったものの、2011年には初の単行本化された。

それだけ衝撃的すぎる内容だということだ、そんな漫画が2014年に実写映画として公開されたのだから開いた口がふさがりません。そんなスイートプールサイドとはどういう作品なのか、そのあらすじから先に見ていこう。

あらすじ

高校生になり、水泳部で補欠ながらも頑張っていた少年『太田紀彦』だったが、彼には1つ悩みがあった。それはいまだに体毛が生えてこないというもの、他の同級生には生えてきているのに、自分には生えてこないためコンプレックスとなってしまう。そんな彼が同じ水泳部で活動している『後藤綾子』が自身の体毛処理をしているところを目撃した。彼女は剃毛に苦戦していて中々うまくいかない様子。綾子は紀彦とは逆に、自身の体毛が濃いことに深く悩みを抱えていたのだ。

ある時2人がそれぞれの悩みを告白し、相談を持ちかける。それをきっかけとして綾子は年彦に『自身の体毛を剃って欲しい』と頼み込む。その日の放課後、2人は人気のない高架下へと移動して、年彦は恐る恐る、綾子の肌に剃刀を当てて体毛を剃り始めていった。

どことなく背徳的な時間が経過する中で、年彦は段々と綾子を意識し始める。対して綾子は年彦との秘密な時間を過ごす中で抱く思いとは。

キャストについて

詳細な内容は後ほど語るとして、主人公がヒロインの体毛を剃毛するだけの話といえばそれでおしまいだ。ですがそれ以上でもそれ以下でもない、ただ剃毛していくことに快楽を見出す主人公の狂気性は見る人を戦慄させます。そんな今作で主演・ヒロイン、並びにその他の俳優がでているのかと調べてみると、配役としてこのようになっている。

キャスト一覧

  • 大田年彦:須賀健太
  • 後藤綾子:刈谷友衣子
  • 太田光彦:松田翔太
  • 北友里子:谷村美月
  • 高倉先生:木下隆行
  • 後藤重雄:利重剛
  • 二宮先輩:落合モトキ
  • 坂下麻衣:荒井萌
  • 三村崇:太賀
  • 中村先輩:井之脇海

須賀健太曰く

青春剃毛映画などと呼ばれてもいる今作を演じる上で、本人のイメージ的に大丈夫なのかと心配する人が多いと思う。ですが一方で、これまでの役者人生でイメージを一新したかったらちょうどよかったと、むしろ好意的に受けれいている人もいた。それが他でもない、子役時代から活躍している『須賀健太』さんだ。彼について知っている人も多いので詳しくは割愛しますが、子役時代からの印象が抜けきれなくてヤキモキしている中で、今作のオファーが来たという。

役に合わせて彼自身、全身の体毛を全て剃って出演するという役者魂を見せつけた。その上で、こんな役をやれるなら自分の演技も幅ができるとばかりに熱演しているのは、劇中を見てもらえれば分かるでしょう。そう見れば、彼もまた日本の芸能界で数少ない『本物』なのかもしれません。

色が濃すぎる同作

主人公がヒロインの体毛を剃る話、今作の映画はそれがテーマとなっている。何も知らずにタイトルだけを見て興味を持ったという人の多くが、まさかの内容に驚天動地だったはずだ。それもそう、筆者もまさかこんな映画だったなんて、と最初は唖然として展開される内容に言葉が詰まったほど。どう表現すればいいのか、なんてレベルの話ではない。

なんでこんなに背徳なんだと思わせる内容に原作はあるのかと調べて見て、妙に納得した。

押見修造の名

エンドロールの際に、原作『押見修造』を見た時にこの作品の全てを肯定できたような気がする。受け入れたわけではなく、作品の価値を認めるという意味でだ。彼の手にかかればこういったなんとも奇っ怪な内容も理解できるからだ。